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エピローグ(2) [ワンダと巨像]

少年の死をエモン達は押し黙ったまま見届けていた。辺りに安堵の空気が漂いそうになっていると、従者の一人が小さな悲鳴を上げた。視線を倒れている少年に向けると.......
少年を覆っていた影が沸きあがるように天井近くまで膨らみ、形を成していく。大きな角が二本ある巨大な黒い影が、エモン達を見下しながら言い放つ。
 「我が体を 十六に刻み 封印してきた人間どもめ..... 我が名は ドルミン。戦士の身体を借り 今  ここに蘇らん」
エモンは最悪の事態をすぐに悟り、従者たちに慌てて指示を出す。
 「手遅れになる前に 祠ごと封印するのだ!」

 ドルミンの影が巨大すぎて、エモン達がよく見えない。もう引き返せないところまで来てしまっていて、どうしたらいいのかわからなかった。エモン達に阻まれて叶えられなかった望み。ここまで試練を越えてきたのに報われない想い。それらを力いっぱいぶつけるように、エモンを狙って拳を床に叩きつけた。わずかなところで届かず、衝撃に倒れこむ人間たち。身体が思うように動かない。小さな人間たちは来た道を一目散に引き返していく。追いかけ拳を振り下ろしても狙いは定まらず、この身体では追いつくことさえ出来なかった。
 エモンは、広間の先の泉のある螺旋の坂を駆け上がり、脱出用の馬を準備するよう指示すると、いにしえの剣を手に呪文を籠めて、剣を泉へ放ると
 「鎮まれ!!」   と叫んだ。
剣が泉に落ちると、泉から眩しいほどの真っ白な光と巨大な竜巻が轟々と音をたてて巻き上がり、ドルミンの巨大な影を容赦なく吸い取っていく。天井まで届くほどの影は、みるみる小さくなり身体ごとズルズルと竜巻が現れた泉へと引きずられる。影の部分を全て吸い取られ、ワンダの身体のみになっても竜巻は止まず、床石にしがみついてもあまりの吸引に耐え切れずに転げ、泉の手前の階段に手をかけると身体が浮き上がるほどの威力だった。
 濁流に飲まれているような感覚、もはや掴んでいる手に感覚はない。この手を離してしまえば、すべてが終わってしまう。みっともないほど生にしがみついている自分。誰に許しを請えばいいのかさえわからないまま、救われたいと誰かに切に訴える。
 竜巻は終わらず、少年の腕力は限界を超え、段差からズルリと手が外れると、糸が切れた人形のように無抵抗に転がりながら泉に沈んでいった。


2006-08-18 23:36  nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 
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by 過去最高記録更新中!何もしないでなぜ儲かる!?秘密の方法を限定公開中。今すぐクリック! (2010-05-13 13:25) 

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